2017-10

「アノ時、わたしのところに泊ったのよ」、覚えていません



昨日(4月2日)、写真展の会場に一人の女性が入ってきた。3時を回っていた。

名前を名乗った後、

「すっかり変わったからわからないでしょう」
という。確かに変わった。

一巡して写真を見た彼女に椅子を勧めた。

数年前に大病をして3カ月の入院。

「ステロイドを使った療法で、一時はお相撲さんのようになったの。ステロイドの量が減ったら、しぼんでしまい、すっかりおばあさんよ」

色白で、長い髪、スリムなボディーでさっそうを校内をゆく姿、声をかける男は多かった。口調は学生時代と同じ、しぐさも同じ。話している間に以前の笑顔が重なってきた。

30数年ぶりの再会だった。四谷で呑むことにした。

お互いに死を覚悟した病を体験しているだけに葬儀の話になった。献体が残されたものに迷惑がかからないと考えていること。「0葬」という本があることを伝えた。

彼女は、大学を出た後、一度会ったことがあると言い出した。

「アノ時、わたしのところに泊ったのよ。長澤さん」

沈黙。覚えていません。
ごめんなさい。あんなにもてた彼女のところに泊ったのなら、忘れるはずはないのだが。いったい、わたしはどうしたのか。

「やっさん、主夫業しているの。洗濯や掃除、洗い物もしてくれるから、わたしが働けるの」

「やっさん」。そうだ彼女は学生結婚で、夫の通称は「やっさん」だった。

そうだ。「アノ時」を思い出した。確かに彼女のところに泊った。

わたしは彼女の夫の「やっさん」と、とことん呑んだ。

そして翌朝、彼女が出かけた後、「やっさん」と迎え酒となった。そんな記憶がわいてきた。呑みすぎて記憶違いかもしれないが。

10時頃に店を出た。

「丸ノ内線で新中野にあるお店によって、猫に餌をあげてから帰るわ」

というので、わたしも丸ノ内線で荻窪へ向かうことにした。30数年ぶりの再会だ、電車の中でも話題はつきない。

「やっさんによろしく」

「たまには会いましょう」

握手をして、彼女は電車を降りた。

彼女は新中野でバイクショップを経営している。16年になるという。

30年後。わたしにも彼女にも、そんな時間は残されていない。

細く長く生きよう。そのうちに楽しいこと、うれしいこともある。ふたりに一致した過ごし方だった。

今日、生きていることを楽しもう。

Yさん時間をありがとう。また会おうね。近いうちに。

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コメント

30年後も大丈夫

すっかり元かのかとおもいました。
ところで30年後私は確実にいませんが、長澤さんは大丈夫ですよ。

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