2017-06

ノーベル賞作家アレクシェービッチさんと三浦みどりさん


東京外国語大学が配布してくれたアレクシェービッチさんの講演会パンフレット

2015年にノーベル文学賞を受賞した作家スヴェトラーナ・アレクサンドロベナ・アレクシェービッチさんの講演会があったので、東京外国語大学へ行ってきた。東京都府中市にある。

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無料だったのだが、申し込んだのが遅くなり、スクリーンで講演を受ける部屋での受講となった。

講演の後の質問の時間、東京外国語大学の学生や大学院生はもちろんだが、東京大学の留学生、早稲田大学の学生からも声が上がった。東京外国語大学1年生の学生の質問はロシア語だった。すごいなあ。

この講演会を行っている東京外国語大学教授の沼野恭子さんのご主人で東京大学教授の沼野充義さん、その教え子として学生時代に縁があった。

私の周囲の席は学生が多かった。学生たちが話す英語やロシア語の話を聞いていると、帰国子女が多いことがよく分かった。

私の友人は法政大学の大学院生だったが、ロシア語は流ちょうだった。父親がモスクワの日本人学校の校長だったので、小学生時代中学生時代をモスクワで過ごしている。アイスホッケーをしていたこともあり、すっかりロシア語を話す子供になっていた。私と会った時は大学院生だったが、英語よりもロシア語での会話を日常会話で話すことが楽なようだった。日本語はもちろん普通に話すことができていた。トルクメニスタンを自転車で横断するときに、通訳として同行してもらった。

そんな若い人が増えているのだろうと思う。いいことだ。私が住んでいる国立市にある高校の高校生を見ても、白い顔も、黒い顔も、黄色い顔も、普通に日本語を話している。普通の制服を着ている。制服は無駄だと思うけれども、こういう言語と風貌が、「日本の高校生」といった観念になることは、いいことだと思う。

さて、元に戻ろう。

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私は、分けあって18歳プラス3年の遅れて大学で日本文学を学ぶことになった。漱石研究に挫折。

そして、マヤコフスキー学院でロシア語を学び、日本文学に与えたロシア文学の影響を研究しようと思った。

その時のロシア語の先生が、沼野充義さんだった。当時は東京大学の博士課程の学生。同い年だった。私は、大学でも必修科目の教授と相性が悪く、4年生を4回体験している。そんな時のロシア語学習だった。私も沼野さんも25歳くらい、1980年頃のことだ。

勉強よりも一緒にマヤコフスキー学院のある東中野駅の周辺でお酒を飲むことが多かった。東京工業大学の江川卓先生もよくご一緒した。ポーランド語の工藤幸雄先生も元気だった。東京工業大学を卒業した演劇評論の鴻英良先生も飛び切り元気だった。

後で知ったのだが、翻訳家の三浦みどりさんは同じころに沼野充義さんにロシア語を学んでいた。もっとも、三浦さんは東京外国語大学ロシ語学科の卒業なので、上級コースだったようだ。私は、ロシア語の初級コースで学んでいた。

その三浦みどりさんに、わたしはとてもお世話になっている。シベリア抑留された元日本兵の中には、中央アジアにあるキルギスに抑留された人がいたらしいということが分かった。厚生労働省に問い合わせても、キルギスに収容所はなかったと否定するばかりだった。2006年のことだった。

ところが、わたしのところに、2007年9月11日だったと思うのだが、一通の電話があった。「あなたが探しているキルギスで抑留された元日本兵は、わたしですよ。新聞で知りましたが、明日、キルギスへ出発でしたね」と連絡があったのだ。

その後、キルギスのイシククル湖の湖畔にあるタムガ村。ここにある国防省のサナトリウムに125名の元日本兵が抑留され、1946年から1948年まで泥治療の診療所の建設に従事させられていたことが分かった。強制的だった。

この建物の中に「キルギス平和センター」を設立しようと私が奔走していた時、三浦みどりさんから大きな封筒が送られてきた。中には、シベリアに抑留された高杉一郎さんの「極光のかなたに」という作品のロシア語版のコピーが入っていた。

私がキルギスの国防省との交渉し、「キルギス平和センター」の設置を計画していることを知り、展示物の一つとして送ってくれたのだった。高杉さんの体験を書いた本のコピーだったが、ロシア語ならばタムガ村の子供たちにも、この村に日本人兵士がいた時もある歴史のあることを知ってもらえるだろうとの思いで、送ってくれたのだった。

もちろん喜んで展示させてもらい、三浦みどりさんにも手紙でお知らせをした。ところが、三浦さんは2012年だったと思うが、ガンでで帰らぬ人となった。

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だが、こうして三浦みどりさんの翻訳した作品の作者が、ノーベル賞を受賞している。三浦さんの眼力にも感謝もお礼もしたいと思う。そんな気持ちも持ちながら、スヴェトラーナさんの講演を聞きに行った。

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スヴェトラーナさんの講演は、上記の書籍に関係することも多かった。福島でのインタビューの体験も、そのうち日本の出版社から発行されると思う。楽しみだ。

もう一度本を読み返し、スヴェトラーナの話した「女たち」の足跡を自転車で巡ってみたいものだ。三浦みどりさんに感謝。合掌
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